黒騎士-ブラックナイト-
「…………。」
「たまには思い出して涙を流せばいい。レイドにはそれができない。彼に替わって泣いたらどうだ?苦しむのはお前だけだ。」
「たまには……だ?」
キンッ!!
刃がぶつかり合う音が、空高くに響いた。
ロイドとオルディンは、同時に剣を抜き、相打ちになった。
「…………醜いぞ。」
「黙れ……!オレはあの日から忘れたことはねぇ……!」
「…………なら、たまには私たちを頼れ。」
「……!」
オルディンの意外な言葉にロイドは驚かされた。
「いつも1人で抱え、苦しむ。私は、そんなお前を見ていて、憤りを感じる。仲間なら腹割って話せ……!」
カシャンッ…
ロイドは剣を落とした。
「……今でも好きなんだ…。愛しい……恋しい……もういないのに……。」
彼は大粒の涙を流した。
膝から崩れ、身を震わせて泣いた。
「忘れられねぇ……忘れたくないんだ!」
ロイドは空を見上げた。
「お前だって同じ気持ちでいてくれてるか……?ティアラ……。」