黒騎士-ブラックナイト-
ティアラはまったく動じず、平然と食べ続ける。
「なぜですか?」
ティアラは父親に聞いた。
「なぜただ事では済まないのですか?現に、アタシは何もされていませんし、彼に命を救われたのですよ?」
「命を救われた、だと?」
「えぇ。アタシ、あの湖に連れて行ってもらいました。」
「ライアがよく連れて行ってた湖に、なの?」
「アタシは嬉しくて、つい湖に身を落としたのを彼は助けてくれました。これでもまだ、お父様とお母様は迷信を信じるのですか?」
ティアラの言葉に2人は固まった。
「ティアラ、お前は何もわかってない!」
「わかってないのはお父様よ!!!」
彼女はそう叫び、車イスを操って部屋を出た。
「バカ娘……!」
†
翌日、ロイドはあの花畑の空を飛んでいた。
しかし、彼女の姿は見えない。
彼はそのまま街へ向かった。
ティアラの豪邸の裏に身を隠した。
コンコンッ…
ロイドは向かって右から2番目の窓を叩いた。
しばらくして、鍵が開いた。
「ロイド!来てくれたのね!」
「しぃ〜!!バカ、声がでけぇよ!」