黒騎士-ブラックナイト-
窓からティアラが顔を出した。
「アタシ、嬉しい♪」
ティアラは満面の笑みでロイドを見つめた。
「いきなり文翔ばしやがって。びっくりしたよ。」
昨晩、ティアラから文が来た。
ティアラも通信の魔法を使えるようだ。
そこに、明日も会いたいとメッセージがあり、ロイドは約束通り会いに来た。
「ありがとう。ここはお兄様の部屋だから、滅多に人は来ないの。」
「ティアラの部屋は?」
「アタシは表側だから、バレちゃう。でも、ほとんどこの部屋で過ごしてるの。」
「そっかぁ。」
「それに、外出禁止出されちゃったしね。」
昨日、ロイドに関わったことでしばらくの外出を禁止されたようだ。
「すまねぇな……。」
「気にしないで。そのかわり……」
ティアラは人差し指を突き出した。
「毎日会いに来て!」
「え……?」
ロイドは目を点にした。
彼女は自分が何を言っているのか、わかっているのか?
“異人”と呼ばれ、見放された人間に会いたい、だ?
「それで、外のお話を聴かせて。アタシ、足がこんなんだから、自分の目で外の世界を見たことがないの。」