黒騎士-ブラックナイト-
レイドは腕を組んで、王の椅子にもたれた。
「アイツはオレとやり合うためにわざとそんな情を出したんだ。アイツはオレの力を知っていた。」
「やはり、レイド様と何か共通があるのでは?」
「知らねぇよ。気持ちわりぃんだ、こっちは。」
皆がこわばった顔になる。
「なぁ、リィナ。それに、シューや大臣。教えてくれよ、8年前になにがあ……」
ズキッッ!!
「う゛っ!!!」
激しい頭痛がレイドを襲った。
「レイド!?」
「レイド様!」
レイドは頭を抱えてその場に倒れた。
†
8年前のオレが、祭壇の間で倒れている。
血にまみれて。
それを今のオレが見ているのは、何だか変な気分だ。
これは夢、すぐにわかった。
今見ているのは、リィナに拾われたあの日だ。
あの日のことをそのまま見ているなら、この後、リィナが駆け寄ってきて、オレを助ける。
そんな夢を見たって、何かがわかるわけ……。
な、なんでだ!?
幼いオレが起き上がり、自分に回復魔法をかけている。
オレのある記憶と違うじゃないか!
カツーン…カツーン…