黒騎士-ブラックナイト-
「ロイド……。」
「護ってやれなかった……!オレはティアラに護られたのに……!!」
バリックたちは何も言えなかった。
「どうしてオレはこんなに弱いんだ……!?どうして……どうして……人間1人も護れないんだ!!!!」
ロイドの後悔の念は爆発した。
いくら悔やんだってもう遅い。
後悔先に立たずとは、うまく言ったものだ。
「お前はこの短期間に何を見た?」
オルディンはロイドに尋ねた。
「“聖人”と過ごして何を見たんだ?」
「…………恋を知った。」
ロイドは冷静になって考えた。
「幸せを知った。」
「そうだな。」
「……人間の欲と無力と愚かさを見た……!」
ロイドは顔を上げた。
「そうだ……オレたちを見放した“聖人”なんてそんなもんだ……。」
ロイドは口を歪ませた。
「は……はは!忘れるとこだった……。それが“聖人”なんだ……!!」
ロイドの涙は乾いていた。
「ロイド……。」
「7年前の計画……再び実行しようじゃないか!オレたちの“あれ”を取り返して、“聖人”を滅ぼそう!!」
「…………賛成だ。」
オルディンは呟いた。