黒騎士-ブラックナイト-
†
オルディンは祭壇の間にいた。
青白く光る魔法陣を見つめ、呆然としていた。
「…………これが先代が奪われた魔力か……。」
魔法陣から溢れる魔力を、肌で感じる。
「たしかに素晴らしい……。」
オルディンは笑みを浮かべた。
「オルディン、明日には実行できるか?」
階段を降りてきたレイドが尋ねた。
「あぁ。いつだってできる状態さ。」
「そうか。楽しみだな。」
「…………お前は」
オルディンは鋭い目付きでレイドを見た。
「自分の存在に違和感は感じないのか?」
チクッ……
レイドはが針に刺されたような痛みを、胸にした。
「……言ってる意味がわからない。」
「なら、いい。聞かなかったことにしてくれ。」
オルディンはレイドの肩を叩いてすれ違った。
魔法陣は変わらず青白く光る。