黒騎士-ブラックナイト-
「さぁ、子孫たちよ。ここはちと息苦しい。海の見える里へ帰ろう。」
バサッ!!
ヴォルフィットは羽を広げた。
同時に瞳を赤に染め、大きな魔法陣を天井に浮かばせた。
「放て。」
ドゴォッッッッ!!!!
「なんて威力だ……。」
「こんな魔力って……。」
魔法陣から光線が放たれ、一直線に穴が空いた。
「ここは憎きルーゼンの城か。ついでだ。滅ぼしてやろう。」
パチンッ
指を鳴らした。
ゴゴゴゴ……
建物が揺れ、瓦礫がくずれる。
「さぁ行こう。その愚かな男が早く目覚めなければ、生き埋めにあうぞ?」
ニッ……
ヴォルフィットは一瞬にして空けた穴から外へ飛んでいった。
バリックとローズもあとに続いた。
ロイドはレイドとリィナを見下ろしながら言った。
「覚えてろ。絶対にお前らを潰す……!」
ロイドは空へ飛んだ。
「レイド!レイド!!」
リィナは彼の体を激しく揺らすが、レイドは目を覚まさない。
ゴゴゴゴ…
ドゴォッッ
依然として建物は揺れ、瓦礫がくずれ落ちる。
「レイド……!」
リィナは共に死のうとして、レイドに被さるように抱きついた。