黒騎士-ブラックナイト-
胸の奥にしまい込んだ。
「どんな夢?」
「…………。」
リィナは肩をなでおろした。
「言いたくないのね。」
「ごめん……。」
彼女は笑顔だけで返事した。
「行きましょ、王座の間に。」
†
すでに、王座の間には合格した騎士と、すでに遣われてる騎士たちが集まっていた。
リィナの姿を見ると、皆、静まった。
「アナタたち、新王国騎士を迎える祝福を行う。私の後についてきて下さい。」
リィナとレイドを先頭に、列を作って地下へ続く階段を降りる。
そして、一行がついた部屋は、祭壇の間。
祭壇の間の床に描かれた魔法陣は、いつも青白い光を放っている。
リィナとレイドは祭壇の前に立ち、騎士たちは魔法陣の上で立ち止まった。
「これより、祝福の礼儀を行います。力を抜いて、楽にしなさい。」
騎士たちは緊張した表情を見せていたが、王女のその言葉で和らいだ。
「国に命を、身を捧げる覚悟はありますか?」
「はっ!!」
「このルーゼン・ウルク王国への愛を、心の中で語れよ。それこそが、王国騎士の魂。」
騎士たちはゆっくりと目を閉じた。