黒騎士-ブラックナイト-
アイラはスープ皿を並べた。
「温かいうちにいただきましょう。」
「シチュー!シチュー!」
バリックもはしゃぐ。
「エリックが惚れた味をいただこうかな。」
「なんだよその言い方!」
エリックは顔を赤くした。
「それじゃあ……いただきます!」
†
夜は更け、双子は一泣きしてから眠りについた。
アイラは髪をクシでときながら、背中でラックに話しかけた。
「美味しかったですね、ルーツァさんのシチュー。」
「美味しかったなぁ。でもアイラの料理には勝てねぇな。」
「もう……!恥ずかしいですわ。」
クシを置き、アイラはラックの隣に寝転んだ。
「“聖人”がうろついてるらしい。」
「エリックさんとそんな話をされていましたわね。」
ぎゅっ
ラックはアイラを抱き締めた。
「オレがアイラとレイド、ロイドを必ず守るから。」
「えぇ…。頼りにしていますわ。」
次の瞬間だった。
ドゴォッッッ!!!!
「!!?」
「きゃあっ!」
外で爆発音が聞こえた。
次に叫び声が響いてきた。
明らかに何か起こっている。