黒騎士-ブラックナイト-

白人の“聖人”が100人近く里を見下ろしていた。

1人の大男が巨大な大砲を担いでいた。

「火事の主犯はアイツか……!」

ラックたちは空に集まった。

こちらの数は20人弱。

頭数では5倍の違いはあるが、ラックたちはうろたえることなく真っ正面に構え立った。

「何が目的だ?」

ラックは眉間にシワを寄せ、険しい表情で彼らを睨み付けた。

「拐った女たちを返してもらおうか。」

「拐った?何を寝ぼけたことを言っているんだ?オレたちの嫁は自分の意志でここに来たんだ。勘違いするんじゃねぇぞ、この阿呆が。」

彼の怒りが込み上げる。

人を拉致したような言い掛かりに腹が立った。

「まぁどんな理由をつけてでも俺達は“異人”を、貴様ら愚民を始末する……!」

「勘違いもいいとこだぜ、ハゲうずら!!」

ラックたちは魔法陣を発動した。

「疾れ!!」

「切り裂け!!」

ゴォォオオオッッッ!!!!!!

炎が風に混じり、炎の風が“聖人”をめがけて襲いかかる。

「魔法楯(マジックシールド)!!」

先頭に並ぶ男たちは結界を張った。

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