黒騎士-ブラックナイト-

「アイラさん!しっかりして!」

ルーツァはアイラの肩をさすった。

「ラック様が……!ラックさまぁぁぁああ!!」

アイラは泣き叫んだ。

「“異人”たちは殺した。さぁ、解放されるのだぞ?子供をこちらに渡して逃げよう、な?」

男はラックの首を高く掲げた。

変わり果てたラックの姿。

眉間に銃弾が打たれた痕がくっきりある。

「誰も助けてなんて言ってないわ。私たちは愛する人と仲間と暮らしていただけなのに……!!あんた達の価値観で決めつけないで!!」

ルーツァは声を荒上げた。

「可哀想に……。奴らに強調されたのか。」

「違うって言ってんでしょ!!」

「そうよ!私たちの仲間を返して!」

女たちは叫んだ。

「せっかく助けてやろうと戦った恩人にそんな口を叩くな!!」

「助けてなんて誰が言ったのよ!!」

「もういい……みな殺しにしてやる!!」

男たちはライフルを構えた。

「撃てぇええ!!!!」

ダダダダダダッッ!!!!

母親たちは子供を抱きしめ背中に銃弾の雨を浴びた。

「……!!!!」

「がっ…………!!」

子供をかばった母親たちは致命傷を食らった。

< 255 / 304 >

この作品をシェア

pagetop