黒騎士-ブラックナイト-

蘇った時とは正反対な喋り方と調子。

「もう疲れちゃうよね。やっぱりああいう時はかっこよく決めなきゃ台無しだから、あんな口調だったけど本来はこんな調子なんだ。あ、でもオルディンは固いみたいだね〜。それでよく肩が凝らないよね、尊敬するなぁ。ローズ、僕、野菜が食べたいな。サラダとか出来る?野菜も食べなきゃ、身体に悪いっていうからさ〜。」

ヴォルフィットはよく喋る男だった。

3人はそのギャップに、口が塞がらない。

あの威厳はどこへやら。

「ローズ?」

「あ、はい!今すぐ!」

ローズは急いで食事の準備に取りかかった。

「オルディンって普段無口なんでしょ?僕には無理だなぁ。息が詰まって苦しいし。なんだか、オルディンがすごくお喋りに見えて面白いと思わない?あははっ!」

ヴォルフィットは笑った。

確かに、喋っているのは彼だが、身体はオルディンであるからそう見える。

「それにしても、減ったね。」

「!」

「子孫はこれだけかい?今までに何があったんだ?」

彼の声は少しだけ低くなった。

「始まりは19年前です。」

ロイドは話し始めた。

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