黒騎士-ブラックナイト-
レイドは水に浸かり、身をかがめた。
「そりゃっ!」
パシャッ!
「ははっ!レイドの下手くそ〜!」
「う、うっせぇなぁ!次は捕れるんだからな!」
パシャッ!
パシャッ!
何度やっても捕まえられない。
「レイド、そろそろ帰ろか。バリックに怒られる。」
「嫌だ!まだ帰らない!」
レイドの負けず嫌いな性格が、許さないのだ。
「もう!オレは先に帰るからな!」
バサッ
ロイドはレイドを放って空へ飛んだ。
パシャッ!
パシャッ!
レイドは諦めず何度も何度も挑戦する。
しかし、なかなか捕まえられない。
時間だけが過ぎてゆく。
パシャッ!
「よっしゃぁあ!捕まえた!」
レイドの手のひらの器に、メダカが一匹泳いでいた。
「すごぉい!何が捕れたの?」
聞き覚えのない少女の声がした。
振り向くと、2つに髪を結んだ金髪の少女が立っていた。
「え……あ、メダカ……。」
レイドは固まった。
この出逢いが2人の運命の時計を動かした。