黒騎士-ブラックナイト-
レイドは言われるまま、右手の薬指を立てた。
きゅっ
リィナは小指を結んだ。
「指切りげんまん嘘ついたら針千本のーます♪」
「ほ、本当に飲むの?」
リィナは噴いた。
「あははっ!飲まさないけど約束したから来てね。」
「じゃあ、オレからの約束。」
レイドは再び小指を出した。
「オレと逢ったことは誰にもしゃべらないで。」
「うん。私のこともしゃべらないでね。」
レイドは口元を緩めて笑った。
そして、何も言わず飛び立った。
†
「レイド!!どうしてロイドと一緒に帰って来なかったんだ!?」
レイドは里に戻ると直ぐ様バリックの罵声が響いた。
「だってレイドには無理だとか言うから悔しくて……。」
「ったく!お前は強いから何も心配はないけどな、もし“聖人”に見つかって襲われたらどうするんだ!?」
バリックには“聖人”は絶対的な宿敵という思考が定着していた。
「ごめんなさい……。」
「まま、それぐらいにしといてやってよ。」
ローズがレイドの肩を叩いた。
「反省しているみたいだし、レイドは強いから心配なんていらないんだから。」