黒騎士-ブラックナイト-

ローズは目付きを変えて言った。

「今度、これを奪い返すんだ。」

「……え?」

ローズの話はこういったものだ。

発案者はオルディン。

彼はヴォルフィットが眠る魔法陣の存在を5歳の時から知っていた。

そして、自分たちの人種についても知り、7歳で体験した“聖人”の奇襲。

彼はこの時、心に決めた。

ルーゼンに奪われた魔法陣を奪い返し、ヴォルフィットを復活させる。

そして、“聖人”に復讐を。

この計画をオルディンはずっと練っていた。

それを実行する時が近づいてきた。

「そのルーゼンっていう城をみんなで攻撃するんだ。」

「そうなんだ……。」

レイドには理解出来ない。

まだ世界を知らないためだろう。

自分たちの人種が見放されたことも、10年前の奇襲も、目の当たりにしていないからだ。

「さぁ、もっと強くなるために、特訓特訓♪」

2人は書物庫を出た。



「リィナ様!また勝手に街を出たのですね?」

シューはリィナに問い詰めた。

「だって暇なんだもん。」

リィナはほっぺを膨らました。

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