黒騎士-ブラックナイト-
少年と少女
国王はシューと一緒に、屋上で夜風にあたっていた。
季節は夏。
夜風はひんやりしているが、蒸し暑いのでちょうどよい気温だ。
「国王、少しばかりリィナ様を甘やかし過ぎではないでしょうか?」
「まだまだ子どもさ。あまり厳しくすると返って反発したがる。そしたら、私にリィナが何も話さなくなってしまうさ。」
国王は後ろで手を組んで、夜空を眺めた。
「しかし、今日みたいに勝手に外へ出られたら……」
「私はリィナにそれを許可したからな、何も言わないよ。」
「はぁ……。」
シューは何も言い返せなかった。
「今日、リィナ様は奇妙なことを話されました。」
「ん?」
「私が“異人”に襲われたらどうすれのか、尋ねましたら、シューは見たことある?とか、絶対に攻撃する?などと質問されまして、私は何も答えれなかったのですが……」
「あの子は母親に似て、噂だとか言い伝えだとか、自分の目で確かめなきゃ信じないからな。もしかしたら……」
風が2人の間を駆け抜ける。
「会ったのかもしれないな、その“異人”とやらに。」
「!」