黒騎士-ブラックナイト-
沈黙が流れた。
「国王……」
「なんてな、冗談だよ。」
国王は声を出して大笑いした。
「さぁ明日で会議は終わる。もう寝るとするか。」
国王は大きなあくびをして、階段を降りていった。
†
翌日、太陽が眩しい快晴な朝を迎えた。
リィナは髪をボサボサにして、階段を降りてきた。
「リィナ様、身支度いたしましょう。」
まだ14歳のフゥリはこの時からリィナに遣えていた。
リィナはドレッサーの前に座らされ、まだ寝ぼけていた。
フゥリはゆっくりと丁寧に、リィナの髪をといた。
「今日もいつもの髪型でよろしいですか?」
「う……ん……ふぁああ〜」
「もう、しっかりして下さいよ。」
フゥリはリィナの髪を2つに束ねた。
「フゥリは」
「はい?」
「フゥリは“異人”を信じる?」
リィナは不意に尋ねた。
「……私は信じるというより、目にしたことがありますので。」
「ほんと!?やっぱり飛ぶの!?羽は黒いの!?」
「私の死んだ父様には、妹様がおられました。しかし、彼女は“異人”と一緒になりましたわ。」