黒騎士-ブラックナイト-
リィナの真っ直ぐな眼差しは、しっかりと頭に記憶された。
「そうか。頼もしいなぁ。それでこそパパの娘だ。」
小さな頭を大きな手がなでた。
ふと、空を仰げば星が一面に広がっていた。
「あ、ママだよ!」
リィナは西の方角を指差した。
1つだけ力強く青く光る星がそこにはあった。
「ママ、また明日ね!」
リィナは星に手を振った。
†
翌朝、港町に国王一行は着いた。
リィナは眠たそうに目をかきながら、ゆっくり船から降りた。
「おかえりなさい。馬を用意しております。」
スーハが敬礼した。
「すまんな。では、早く城に戻って休もうか。」
「はっ!」
国王は馬にまたがり、リィナを前に座らせた。
「しっかり手綱を持っていろ。」
「うんっ!」
ビシィッ!
「はっ!!」
馬は勢いそのままに走り出した。
それを港町の宿の屋根で、見学していた者がいた。
「やっぱり留守にしてたか。」
「そりゃ城にいないわけだ。」
黒い翼を広げ、何度も羽ばたかす。
成長したネイビスとサランダだった。
「国王がいなけりゃ始まらないからな。」