黒騎士-ブラックナイト-
魔法と魔法
クゥリが言葉を発した後に、彼女の体を風が包んだ。
瞬く間に契ったページは紙屑になり、指の間には何も残らなかった。
風が止むと、何も変わった様子のないクゥリが立っていた。
「はっ単なる脅しか。」
ジェネルは鼻で笑った。
しかし、瞬きをした一瞬にクゥリはジェネルの目の前に立っていた。
「なっ……!」
「にゃおっ♪」
ゴッッッ!!
ジェネルの顎にアッパーを食らわした。
その衝撃で彼は地面に叩きつけられた。
「にゃっにゃっ!にゃ〜!」
彼をおもちゃのように、クゥリは殴り続けた。
その姿はまるで猫のようであった。
「こいつ……!憑依魔法(スピリットオーバーマジック)を使うのか……!」
クゥリは殴るのをやめ、ジェネルから離れた。
「あなたもの知りね。初対面の人に私の魔法を言い当てられたのは初めてよ。」
クゥリは手についた血を、エプロンで拭いた。
ジェネルは鼻と口から血を流していた。
「あぁ、俺たちは皆、魔法に詳しいからな。」
彼はゆっくり立ち上がりながら言った。
手の甲で血を拭う。
「わくわくするじゃねぇか。」