黒騎士-ブラックナイト-
「それはこっちもよ!」
ビリッ!
クゥリは再びページを破き、同じようにまた何かの魂を憑依させた。
「舞え、剣たちよ!!」
ジェネルは魔法陣を発動させ、叫んだ。
倒れている騎士たちが持っていた剣が宙を舞った。
「剣に虎……まるで余興ね!!」
クゥリは四つん這いになってジェネルめがけて駆け出した。
「猫の次は虎か、猫科しかいないのか?」
バッ!
ジェネルが右腕を高く掲げると、一斉に宙を舞っていた剣がクゥリに降り注ぐ。
ガガガガガッ!!
クゥリはとっさに避け、剣の雨から逃れた。
「当たらなきゃ意味ないわよ?」
「だーれが、当たらないなんて言った?」
ジェネルは人差し指を、自分の体の方にくいっと曲げた。
「!!」
クゥリは駆けながら後ろを見た。
そこにはジェネルの操る剣が迫ってきていた。
「ちっ……!」
クゥリは舌打ちをして、立ち上がった。
すぐさま本を開く。
「遅いんだよ!」
クゥリの体に剣が飛び交う。
「くそ野郎が……!」
スパスパスパッッ!!
クゥリの白いエプロンが、彼女の血で赤くなる。