黒騎士-ブラックナイト-
カシャンッ
クゥリは眼鏡を投げ捨てた。
「だから、私は、剣に飛鳥(ひちょう)の魂を宿した。」
「てめぇ……そんなことまで……!」
「出来るわよ。私は憑依魔法なら全て使えるもの。」
クゥリはまた、倒れる騎士の剣を手に取り、ジェネルにまたがった。
「私の愛する国を、滅ぼすなら、私はあなたを生かしてはおけないわ。」
「や……やめろ……!」
スッ……
クゥリは刃先をジェネルの胸に向けてそれを高く掲げた。
「やめてくれぇぇえええ!!!!」
「地獄で詫びろ。」
ドシュッッッ!!!!
†
王座の間で、緊張が走る。
ローズの剣が騎士を貫いた。
「ローズ……耐えきれなかったか。」
オルディンは冷静に、ローズの行動を解釈した。
「構えよ!!剣を掲げよ!!」
騎士の1人が吠えた。
しかし、それよりも先に国王が動いていた。
ガッ!
国王はローズの顔面を鷲掴みにし、睨み付けた。
「約束は守ってもらわねば困る。なぜ、刺したのだ!?」
ドガッッ!!
国王は彼が刺している剣を抜き、みぞおちを蹴った。