黒騎士-ブラックナイト-
眼鏡を外し、口から血を流し、返り血で体を赤く染めたクゥリ。
彼女の右手は、ガゼットの首をつかんでいた。
「く……くっそ……」
ガゼットは苦しみながら、首をつかむ腕を力強く握り、解こうとしている。
しかし、片手で首をつかんでいるのにも関わらず、クゥリは彼の体を浮かしている。
「クゥリ!!!」
シューはクゥリの名を叫んだ。
しかし、彼女の耳にはシューの言葉は入らなかった。
「死ね。」
ゴキッ……!!
クゥリはガゼットの首を折った。
彼は一瞬にして死に、つかんでいた両手をだらんとぶら下げた。
「くだらねぇ。」
ドサッ
クゥリは彼の体を、投げ捨てた。
そして、目の前にシューの姿を見た。
「クゥ……リ……」
「……シュ……!!!」
ドクンッ!!
「うぁぁぁあぁあぁぁあ!!!!!!」
クゥリの心臓が激しく痛む。
胸を抑え、膝から崩れた。
「クゥリ!!!」
シューは走り寄ろうとした。
が……
「近寄るな、さすればこの身体を壊す!!」
クゥリは声色を変えて、シューを睨んで言った。