黒騎士-ブラックナイト-
シャッ
サタンは剣を一振りした。
その先をシューに向ける。
「悪魔の子と呼ばれ、自分の家族からも仲間からも見捨てられ、孤独を生きた女だ。さぞかし辛かっただろう、苦しかっただろう。だが、オレはそんなこいつを見るのが堪らなくおもしろかった。」
「貴様……!!」
「フハハハハッ!!」
サタンは大笑いした。
髪をかきあげ、シューを睨んだ。
「なんだ?お前、この女を好いているのか?」
「クゥリはルーゼンの家族だ。家族の危機は家族が守る。この国の教えだ!!」
シューは勢いよく剣を振りかざし、サタンに攻撃した。
キンッ!!
カカカカッッッ!!!!
剣が激しく交差し、高い音が響き渡る。
しかし、お互いの刃は体には届かず、防衛戦が続く。
「なかなかやるじゃねぇか。」
サタンはニヤリと笑ってみせた。
「伊達に騎士をやってねぇよ。」
「ほぅ……しかし、所詮は人間。」
刃がぶつかる音の中、サタンはささやく。
「この身体は女のものだ。」
「!!」
シューは気を緩めてしまった。
「人間の情は悲しいもんだ。」
ザクッッッ!!
「かっ……!!」