黒騎士-ブラックナイト-
「隣の国も、魔術が盛んだものね。ありがと、読むわ。」
「はいよっ。」
レイドは手紙を渡した。
しばらく、リィナは黙って手紙を読んだ。
「…………。」
リィナの表情がより一層恐くなった。
「レイド、対談の準備をして。」
「え?お、おう。シューたちを呼べばいいんだな?」
「えぇ。面倒だわ。」
「な、何がだよ?」
「我が儘勝手な王子が来るわよ。」
彼にその言葉が理解出来なかった。
†
会議室に集まったヴァィも、呆れた表情を浮かばせていた。
「リヴェンの王子……。」
机の中央に座るリィナの隣に、レイドも座った。
「な、なぁ。何があったんだ?」
「隣の国、リヴェン・プール王国から王子が来るのよ。」
そう言ってリィナはさっきの手紙を、レイドに返した。
彼は手紙を読む。
内容は、一度会って話がしたい、というものだった。
手紙の送り主は、フィル・プール王子となっていたが、多分、書いたのは付き人だろう、とリィナは補足した。
「そんなに、この王子が嫌いなのか?」
「えぇ!大っっっ嫌い!!」