黒騎士-ブラックナイト-
彼女は眉間にシワを寄せて、拒絶した。
心優しいリィナがこんなに嫌うのは、よっぽどの事なのだ。
「リィナ王女、リヴェン・プール王国の王子一行が到着なされました。」
「入ってもらって。」
会議室の扉が開く。
いつもより重そうだ。
一行の先頭に居たのは、茶色の髪が、リィナより長く、前髪をいじっているフィル王子だった。
「うぉ!?すっげ本当に褐色の肌の奴が居るのか!」
第一発声は、レイドに対してだった。
彼は、その言葉に苛立ったが、隣でリィナが落ち着くように促した。
王子の後ろで、ロッツォが申し訳なさそうにしている。
「どうぞ、こちらにお掛けください。」
シューはフィルを、リィナの向かいに座らせた。
「喉乾いたな。おい、そこの褐色。何か飲み物を持ってこい。」
「………。」
レイドは、リィナたちがフィルを嫌う理由がすぐにわかった。
「その仕事は、メイドにさせますので、しばらくお待ちください。」
リィナがフゥリに指示する。
「さて、今日は何のお話を?」
リィナが話を切り出した。