黒騎士-ブラックナイト-
王女・リィナはまだ18歳であるが、その歳を感じさせないリーダー性を発揮させている。
凛とした声に、美しい容貌。
そして、国中の騎士や国民を家族として慕っているところに、この国は彼女に惹かれるのである。
着々と役割分担をし、残るはレイドだけとなった。
「私の側近騎士・レイドには祝福の礼儀を。」
王座の間がざわめいた。
「い、今何と?」
「レイド・エルスには、私と一緒に祝福の礼儀をします。」
「し、しかしなぜ!?この国の祝福の礼儀は先代からずっと国王だけがされてきました。それをレイドに…」
「なんだよ?文句あんのか?」
「やめなさいレイド。」
リィナが仲裁に入った。
「あなたたちも存じるでしょう、彼の魔法を。私の魔法とは比べ物にならない威力。だから私は彼にやってほしいの。私は先代の国王ではないから。」
「これは…失礼しました。」
大臣は謝罪した。
「わかってくれてありがとう。他の人たちも何か不満があればおっしゃって。これは、みんなで決めることですから。」
大臣をはじめ、集った者たちは姿勢を正し
「ありがたきお言葉。」
と、一礼した。