黒騎士-ブラックナイト-
屋上に上がると、国境が赤く燃えていた。
ルーゼン村が焼かれている。
「な……なんてこと!村の人たちは大丈夫なの?!」
「わかんねぇ……。ただ、怒りに満ちた魔力が暴走してやがる。」
現場の全体は見えるが、死人が出たかどうか、細かいところは見れない。
レイドは、リヴェンの国民たちの魔法の情を感じ取った。
「ヤバイな……。」
「え?」
「情に狩られて、リヴェンの奴ら、魔力の加減が出来てねぇ……。」
†
ドォッッ!!
ようやく、ルーゼン村にシューたちが辿り着き、結界で魔法を防いだ。
「やめてくれ!これは何かの間違いなんだ!」
シューたち騎士は、何度もそう叫ぶが、彼らの耳には届かない。
「よくも俺たちのリヴェンの女神を!」
「許せねぇ……絶対に!!」
「ルーゼンは敵だ!焼き殺せ!」
うぉぉぉぉおおお!!!!
彼らの怒りは収まらない。
シューたち、ルーゼン・ウルク王国の騎士たちの登場で、より一層攻撃を増した。
「仕方ないですね……。」
シューは額に右手の人差し指を当て、目を瞑る。
左手に剣を構え、祈った。