黒騎士-ブラックナイト-
「我の守り神、黄金の梟(きんのふくろう)・ディーノよ、その気高き翼を広げよ!」
剣を振りかざした。
キィィィン!!!
刃が黄金に輝き、風が吹く。
すると光が集まり、巨大な梟の姿が現れた。
――――!!!!
声でなく、音でもない梟の鳴き声が、全員の頭の中で聞こえた。
「嵐を巻き起こせ、風神のように!」
ブォォォオオ!!!
黄金の梟が、翼を羽ばたかせると、黄色の風が吹き荒れた。
「うわぁ!!」
「なんだこれは!!!」
リヴェンの国民たちは、嵐に巻き込まれ、立っている状態を保つのに精一杯だった。
その風で、ルーゼン村の火事が鎮火した。
「リヴェンの国民の皆さん!私の話を聞いてください!」
風が止み、リヴェンの者たちが静まってから、シューは声を掛けた。
「これは、何かの間違いなんです!私たちの国の人間はこのようなこと、していません!」
「誰がそんな嘘信じるかよ!」
「そうだ!!ルーゼンの奴らなんて、みんな殺してやる!!」
リヴェンの者たちは再び魔法を発動させようとした。
「!?」
「魔法が……!!」