黒騎士-ブラックナイト-
「それでは、これで会議は終了とします。私は部屋に戻りますので、みんなも配置に戻ってくださいね。」
「はっ!」
「レイド、行くわよ。」
「はーい。」
†
大臣は部屋で、紅茶を飲んでいた。
ふぅ…
一息ついて髭を触った。
綺麗な白髪で、同じように髭も綺麗である。
コンコン
ノックをする音が聞こえた。
「父上、私です。」
「おぉ、入れ。」
部屋に入ってきたのは、総司令騎士・シューであった。
二人は親子の関係であり、同じく国を守る者である。
「どうした?」
先に話を進めたのはヴァィ。
「えぇ。側近騎士・レイド様のことで。」
「やはり、レイドのことか。あの役割にはちと不満があるが、王女様の決めたことには逆らえん。」
「私は、レイド様の魔術には勝てないと思っています。王女様のおっしゃられた通り、あの方の魔法にはド肝を抜かれます。私が気になっているのは役割ではく、レイド様自身です。」
長く綺麗な金髪を一度、手ぐしでといた。
メイドの持ってきた紅茶を、二人同時にすすり、一息ついた。