黒騎士-ブラックナイト-
シューは犠牲になった騎士たちに、祈りを捧げた。
†
城下町の住民が、城の前の広場に集まっていた。
リィナの指示である。
「全員いますか?」
「はい。」
「今日、集まって頂いたのは、知る方も中にはいらっしゃるでしょう。国境のリヴェンの女神像の水晶玉が、ルーゼン国民により破壊されました。」
知らなかった人々は、どよめいた。
「私は、そのような悪事をルーゼン国民がしたと信じれません。しかし、本当ならば許しがたき事。この中に、破壊した張本人がいるのならば、正直に出てきて。」
リィナは悲しい目をしていた。
レイドはそんな彼女を見て、どうしたらいいのか考えていた。
名乗り出る者はなく、王女は胸を撫で下ろした。
「よかった……。」
レイドが彼女に代わって話をする。
「今、国境では王国騎士たちが、リヴェンの騎士と戦っている。彼等は、オレたち、ルーゼン・ウルク王国を守るために命を捧げている。もし、被害がこちらに及ぶことがあれば、避難を出すから、いつ、そのような事態になろうと、対応できる心準備はしていてくれ。」