黒騎士-ブラックナイト-
その結果に、フィルは激怒した。
「何してんだお前ら!ルーゼンごときに手こずりやがって!」
フィルは、1人の騎士を殴った。
「お前らに“俺”の将来がかかってんだぞ?さっさとルーゼンを潰せ!」
「王子、これは何のための戦争なのですか?」
ロッツォは尋ねた。
「“俺”の名誉挽回、力試しさ。」
ロッツォの目が変わった。
「そう……ですか。明日、また頑張ります。」
ロッツォは王座の間を後にした。
†
「リヴェンの騎士たちが……。」
リィナはシューから報告を受け、呟いた。
「このままでは、リヴェンが破滅してしまいます。一刻も早く、戦争を終わらせるため、私に攻撃の許可を!」
シューは頭を下げ、願い出た。
「それは許可できないわ。」
「何故!?」
「私は、リヴェンを潰したい、リヴェンに勝ちたいとは思わない。私たちに出来るのは、ただ、彼らの怒りを受け止めること。しかし、リヴェンの怒りが収まる前に、自滅するようなことは……。」
リィナは、悩んだ。
犠牲者は多く出したくない。
早く戦争を終わらせたい。
そればかりが頭に浮かぶ。