黒騎士-ブラックナイト-
レイドも彼女と同じように悩んだ。
彼には、この戦争には何かある、裏で何かがある、と考えていた。
しかし、答えは見つからない。
それを証明するモノだってない。
「冷静に王子と話をしましょう。いや、王子よりもロッツォ氏と。」
「対談……か?」
「ええ。」
リィナは決心した。
「明日、私も国境へ出ます。もうじっとはしていられない。」
「全力で王女を御守りします。」
この決意に、誰も反対できなかった。
†
次の日、厳重な警備でリィナは国境へ向かった。
レイドも気を集中させ、緊張感を持っていた。
城にはヴァィと、数人の騎士たちが残った。
国民が、王女、騎士たちの無事を祈り、見送った。
しかし、今日の国境はいつもと違った。
リヴェンの騎士たちに加え、国民の数人の姿があった。
「一体どういうこと!?」
リィナの質問にロッツォが答えた。
「これより、リヴェン・プール王国を滅する。」