黒騎士-ブラックナイト-
差を開けられても、リィナたちは懸命に、馬を走らせた。
「くそっ!このままじゃ……!」
レイドが魔法を唱えようとした。
「だめよ!攻撃しないで!」
リィナがすぐに止めた。
「……ちっ!」
レイドは手綱を握り直した。
ロッツォたちは、城下町に突入し、城を一直線に目指す。
数人の騎士が残り、城下町の入り口である、門の前で馬から降りた。
少しして、ルーゼンの者たちが、門の前までたどり着いた。
門番として残った騎士たちが、剣をかかげてリィナたちを足止めする。
「お願い!そこを通らせて!」
「それは、聞けぬお願いです。」
「どけ!!」
かがげた剣が青白く光る。
「僕たちはもう、後戻りできない!!」
キィィィィイイイン!!!
パキンッッ!!
剣が光を放ち、門に青く光る結界が張られる。
「僕たちを止めないでください。」
「元々、俺たちは王に制圧されていなかったのに!」
1人の騎士が声を荒上げた。
「アナタのような、国民を家族と思ってくれるような国だったのに!」
もう1人の騎士も嘆く。
「そんな国に戻ると信じていたが限界なんだ!」