黒騎士-ブラックナイト-
レイドは馬から降り、結界の前に立った。
「お前たちの怒り、聞いてやる。言いたいこと、全部オレたちにぶつけろ。」
続いてリィナも降り、レイドの隣に立った。
「俺たち、リヴェンの歴史を知っているか?」
「歴史?」
騎士は話す。
“魔術師の国”として、リヴェン・プール王国は栄えた。
世界中の者たちが、そう思っていただろう。
しかし、そうなったまでには、黒い歴史がある。
この国を創始した、国の先祖・リヴェンは南の海出身。
リヴェンは、独自で魔法を勉強し、当時は有名な魔術師だった。
ある時、出身地を離れ、今のリヴェン・プール王国の地にたどり着いた。
そこで、リヴェンは戦争に巻き込まれた。
人々が争い、死んで行く姿を目の当たりにした彼女は、魔法で両国の戦士を攻撃し、一時休戦させた。
戦争をしていた国は、リヴェン・プール王国となる前のイーネットと、ルーゼンとは対角になるプロセンだった。
そして、リヴェンはイーネットへ赴き、国民たちに言った。
『戦争を終わらせる手助けをさせて下さい。』
なぜイーネットを選んだのかはわからないが、彼女はイーネットの有力な戦力となり、1人で戦争を止めた。