黒騎士-ブラックナイト-

彼女の魔法だけで。

イーネット国民は、リヴェンを祝福し、彼女を慕った。

後に、彼女はその国の、女王となり、今の“リヴェン・プール王国”を創った。

約200年前のことだった。

彼女は国民に魔法を教えた。

それが、今の国が受け継いでいる魔法だ。

リヴェンは国民の1人の男と恋をし、結婚した。

しかし、リヴェンの子どもが10歳の時に、彼女は暗殺された。

国が泣き、犯人を恨んだ。

そして、リヴェンの夫は城を、国を守ってきた女神として、女神像を建てた。

城から離れて建てられたのは、国全体を見守るようにと。

「―――建てた場所が国境であったことで、何があったか、王女様はご存知でしょう?」

リィナは険しい顔をして、答えた。

「ルーゼンとリヴェンが対立しました……。」

レイドは目を見開いた。

「そうです。女神像はリヴェンの地か、ルーゼンの地、どちらに建てたのか、で。」

「戦争に勝ったのは、リヴェンだったわ。」

「その時は、ルーゼンより魔法は強かった。しかし、今から100年前より、ルーゼンの魔力が強くなった。」

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