黒騎士-ブラックナイト-
リヴェンの騎士は、続ける。
「そのことが、ムーシュ王には気にくわなかった。だから、ルーゼンを敵対視している理由なのです。」
「そんな……!」
リィナは愕然とした。
レイドは彼女の肩をさすった。
「それから……王権を振る舞っているのか?」
「王は、ルーゼンに対する嫉妬を権力に変え、僕たち騎士を国民を苦しめた。」
「そして、そんな王を見ていた妃は、何度も止めようとしましたが、王は止まらず、妃は自殺なされた。」
「―――!!」
2人は言葉を失った。
「病気では……?」
ルーゼンには、妃は病死したと聞かされていた。
「いいえ、手首を切られ死にました。」
「王は悲しまず、幼い王子に“あのような人間にはなるな”と話された。俺は今でもはっきり覚えています。」
「ひでぇ……。その国王は見つかったのか?」
「……。」
騎士は、首を横に振る。
騎士は涙を流した。
「これでも、まだあの国に従わなければなりませんか!?あんな国に命を捧げなければなりませんか!?」
騎士は泣き叫ぶ。
「お願いします!我々を止めないでください!」
リィナは悲しい表情を浮かべている。