黒騎士-ブラックナイト-

リヴェンの騎士は、続ける。

「そのことが、ムーシュ王には気にくわなかった。だから、ルーゼンを敵対視している理由なのです。」

「そんな……!」

リィナは愕然とした。

レイドは彼女の肩をさすった。

「それから……王権を振る舞っているのか?」

「王は、ルーゼンに対する嫉妬を権力に変え、僕たち騎士を国民を苦しめた。」

「そして、そんな王を見ていた妃は、何度も止めようとしましたが、王は止まらず、妃は自殺なされた。」

「―――!!」

2人は言葉を失った。

「病気では……?」

ルーゼンには、妃は病死したと聞かされていた。

「いいえ、手首を切られ死にました。」

「王は悲しまず、幼い王子に“あのような人間にはなるな”と話された。俺は今でもはっきり覚えています。」

「ひでぇ……。その国王は見つかったのか?」

「……。」

騎士は、首を横に振る。

騎士は涙を流した。

「これでも、まだあの国に従わなければなりませんか!?あんな国に命を捧げなければなりませんか!?」

騎士は泣き叫ぶ。

「お願いします!我々を止めないでください!」

リィナは悲しい表情を浮かべている。

< 61 / 304 >

この作品をシェア

pagetop