黒騎士-ブラックナイト-
彼の笑顔はすごく穏やかな表情だ。
「はじめに言っておこう。リヴェンの女神像を壊したのは、俺だ。」
「な……!!」
「魔法でルーゼンの奴に化けたんだ。まんまと引っ掛かりやがて。ハハッ!」
ローズは、また目をたれ目にして笑った。
「一体……何が目的で!?」
「ワシが頼んだのだ。」
ムーシュが答えた。
国王が自ら象徴を壊した?
誰にもわからなかった。
しかし、王子や国王は除いて。
「ワシは、ルーゼンなんかに負けているという事実が許せん。そんな時、この者がワシの前に現れてな。“いい案”があると言ったから、それにのったんだ。」
「“いい案”……!?」
ロッツォにはすぐにわかった。
「ルーゼンとの対立は、全て王の企みか?!」
「あったり〜♪よくできましたっ。」
ローズは軽く拍手する。
「親父が帰ってきたときに、全て聞いたよ。こんな面白い話はないね。ハハハハ!」
フィルはまた大声で笑った。
「ただ、反乱が起こるのは計算外だった。何しろ、潰し合っていただく予定だったからね。」
ローズも可笑しく笑う。