黒騎士-ブラックナイト-
フィルが躍り出た。
「くたばれ!」
ブンッッ!!
剣を一振りすると、炎が疾る。
ゴォォォオオ!!!!
「雑魚が。」
ドッッッ!!!!
炎が、ローズの前にかざした手のひらの前で止まった。
たちまち、炎が消える。
「ちっ!なんなんだお前は!!」
フィルはたまらず舌打ちする。
「なーんか……飽きたな。」
ローズの瞳が赤く燃える。
同時に魔法陣が足元に浮かんだ。
「切り裂け。」
ブワッッッアア!!!!
レイドと同じ、刃が混じる風が吹く。
「くそぉぉおお!!」
フィルは諦めかけた。
その時―
「護れ!!!!!」
パキンッッッ!!!!
フィルを光る結界が包んだ。
足元には、魔法陣が浮かんでいた。
「やっと来たんだ……。」
ローズは、部屋の入り口に体ごと振り返った。
そこには、赤い瞳のレイドとリィナ、シュー、ルーゼンの王国騎手がいた。
「よっ!レイド♪」
あの穏やかな笑顔で、レイドを迎えた。
「お前は……?」
「あーやっぱまだわからないか。俺はローズ。さしぶりだな。」