黒騎士-ブラックナイト-

彼は少し嬉しそうだ。

「おい!ルーゼンの“異人”!お前の仲間か!?」

この時、レイドは初めて異人と呼ばれた。

「知るか、こんな奴。」

「冷たいなぁ……。感動の再会だっていうのに。」

スゥゥゥ……

魔法陣が、レイドの足元に帰ってきた。

「バリックの仲間か……?」

「お!名前覚えてるのか。バリックの奴、喜ぶぞ。」

また微笑む。

「おい!ローズ!今だ、今あの王女を殺すチャンスだ!」

国王はリィナを指差す。

ムーシュはリィナを殺し、国を乗っとるつもりらしい。

「うっせぇな……。魔術師の国で魔法が使えねぇ奴が……」

「!!!?」

ゴフッ!!

ムーシュは大量の血を吐いた。

「……王様なんていって威張んな。」

ムーシュの胸を、黒い翼が貫いていた。

翼は赤く染まっていた。

「い、いやぁぁああ!!」

リィナは叫んだ。

「王女様!」

シューはリィナの肩を支えた。

「……お前!」

ムーシュは即死した。

「親父!!」

「そいつに近づくんじゃねぇ!」

レイドは叫ぶ。

フィルはピタッと足を止め、その場に立ち止まった。

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