黒騎士-ブラックナイト-

「なぜそんなに怒る?この戦争を企んだのは、国王様だぜ?」

レイドは無言で、魔法陣を光らせた。

「殺り合おうってか……?」

「切り裂け!!」

ブワッッッ!!!!

ヒュンッ!ヒュンッ!

「護れ。」

パキンッッッ!!!

ドドドドドドッッ!!!!

厚い結界に、刃がぶつかり、悲鳴をあげる。

「疾れ!!」

ゴォォォオオ!!!!

ドッッッッ!!!!

炎はローズに直撃したはずだが、そこに彼はいなかった。

「レイド!上よ!!」

バッ!

レイドは上を向く。

シャンデリアの隣に、翼を広げ、ローズが浮いていた。

「切り裂け!!」

ズドドドドッッ!!!!

黒い羽が、刃となり、レイドを直撃した。

「レイド!」

「レイド様!」

攻撃が止み、ホコリで見えなかったレイドの姿がぼんやり見えてきた。

レイドはかなりの傷を負っていた。

「はぁ…はぁ……」

「レイド!」

リィナはシューの手を振り払い、レイドの元へ駆けつける。

「来るな!オレは大丈夫だから!!」

「……」

リィナは立ち止まった。

ゆっくりと、ローズが降りてきた。

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