黒騎士-ブラックナイト-
ロッツォの剣を止めたのは、レイドだった。
倒れた騎士の剣を手にしている。
「何故だ!何故アナタたちは私の邪魔をする!」
ロッツォは怒りの涙を流さずにはいられなかった。
「たしかに……コイツのやった事は許せねぇ……。でもな……はぁ…はぁ……」
息を切らし、途切れ途切れにレイドは語る。
「だからって、お前に命を奪う権利はねぇ……!!」
「…………!!」
「だから……殺すんじゃねぇ。それに、お前には迷いがある……どのみち殺せねぇよ……。」
ガシャン……
「私は……」
ドサッ……
ロッツォはその場に座り込んだ。
「…………」
レイドはニッと白い歯を見せて笑った。
「!!」
「レイド!!!」
レイドはそのまま倒れた。
†
レイドが気がついたとき、見慣れた景色がそこにはあった。
自分の部屋だ。
「レイド!よかった……目が覚めたのね。」
リィナは嬉しくて笑った。
「リィナ……。」
「倒れた後、すぐに回復魔法をして、城に帰ってきたの。」
「そうか……。」
まだ頭がぼーっとしている。
「……終わったのか?」