黒騎士-ブラックナイト-
「王権をこの国に差し出し、王族の称号を剥離します。これまでの非道な振る舞いはもうさせません。」
改めて、王権の剥奪を言われた。
「そして、身柄をルーゼンに移し、国に遣われなさい。」
「はぁ!?」
フィルは声を荒げた。
「なんで俺がこんな国に……!」
「私の言うことは絶対です。それが嫌なら、島流しにしますが?」
「うっ……そ、それは嫌だ。」
リィナはニコッと笑った。
「そして、ロッツォをはじめ反乱軍も一生、国に身を置き、魂を捧げ、国を守りなさい。」
「え……?」
「そして、リヴェン国民全員をルーゼンの家族として迎えます!!」
リィナに迷いなんて一切ない。
自分の行いは間違ってはいない、と自信に満ちている。
「……ったく。お前らしいぜ。」
腕を組んで隣に立っていたレイドに笑みが溢れる。
ロッツォは静かに涙を流した。
「また、王に従う運命になりますが、よろしいですか?」
彼は、笑顔で頷いた。
そして、反乱軍の騎士たちも声を漏らして泣いた。
「や、やったぁぁぁあ!!」
その場に捕まっていた、反乱に関わった国民は嬉しさの余り、声に出して喜んだ。