黒騎士-ブラックナイト-
召使と王女
リヴェンとの戦いが終わり、ルーゼンの国土が拡大してから早1ヶ月。
フィルは今日も掃除で忙しくしていた、
「フィル、もう終わったのか?」
「あ?まだだよ。」
「ったく、遅い。」
「うっせぇな!!」
フゥリに愚痴を言われ、彼は気を悪くした。
フィルは戦いが終わったあと、メイドと同じ召し使いとして残された。
主な仕事は掃除に食事、洗濯など。
はじめは潔しとはしなかった彼だが、今は一生懸命に働いている。
†
彼が召し使いとして残されてから1週間後、納得のいかない中仕事を与えられた。
「フィル、アナタに仕事を与える。」
フゥリは王女の1番の使いであり、メイドを指揮する、いわば、メイドのリーダーだ。
一人一人に役割を与え、その様子をしっかりと見ている。
「俺に指図するな!俺はお……」
「俺は、何だ?」
「なんでもねぇよ!」
「そうか。だったらついてこい。」
「…………。」
渋々フィルはフゥリについていった。
案内されたのは、調理室。
シンクの洗い場に、皿が積み重ねられている。
「今からこれ全部を洗え。」