黒騎士-ブラックナイト-
フゥリは積み上げられた皿を指差した。
「はぁ!?俺1人で!?」
「当たり前だ。30分で終わらせろ。」
彼にエプロンを無造作に投げつけ、そそくさと部屋を出ていった。
「たくっ……!なんで俺がこんなこと!!」
ボサッ
床にエプロンを叩きつけた。
そのままそこ飛び出し、与えられた部屋に戻った。
部屋に入るやいやな、ベッドに飛び込んだ。
最近まで寝ていた自分のベッドよりも寝心地が悪い。
「糞野郎……!」
ベッドでそう呟き、眠った。
†
目が覚めると、夕暮れを迎えていた。
空はオレンジ色に染まり、綺麗だった。
バタバタバタ……
何やら廊下が騒がしい。
静かに扉を開けると、メイドたちが集まっていた。
「誰ですの?皿洗いを命じられたのは!」
「私達で洗えばいいのよ!」
「で、でもフゥリさんは放っておけと……。」
皿洗いができていないことで、メイドたちが騒いでいる。
俺がしなかったことで何騒いでるんだよ……。
フィルは腹が立った。
そのまま夕食の時間を迎えたが、食事をする部屋に料理が運ばれない。
リィナやレイドたちにも出されていない。