黒騎士-ブラックナイト-

騎士と追求


終戦から1ヶ月が経ったが、レイドは心がスッキリしていない。

自分は初めて“異人”と呼ばれた。

それが頭から離れない。

“異人”って何なんだ?

なぜ“異人”たちは、オレを知っている?

彼の頭はそれでいっぱいだ。

「ヤマタノオロチ……。」

自分はリィナを護るため、無意識に巨大な魔力を放った。

後でリィナに、あの魔法は何?と聞かれたが答えられなかった。

「そろそろ知りてぇよ……。」

いつもの木でいつものように空を眺めた。

今日は雲が多いようで、頻繁に太陽が見え隠れしている。

「本当にソコが好きなのね。」

いつものようにリィナが話しかける。

「なんか……空が恋しいんだ。」

「恋しい?」

レイドは笑顔で頷いた。

「なぁ、リィナ。」

「ん?」

「“異人”って……何なんだ?」

リィナの顔から笑顔が消えた。

「フィルに初めてそう呼ばれた。“異人”ってオレみたいな肌と髪の奴を指すのか?」

「…………」

リィナは黙り込んだ。

やっぱり何かあるのか……。

彼女の反応ですぐにわかった。
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