黒騎士-ブラックナイト-

レイドは頭を抱え、うずくまった。

「レイド!?どうしたの!?大丈夫!?」

「うぅ……!!うあぁぁああ!!!あ、頭が……!!」

グラッ……

レイドの体が傾き、木から落ちそうになる。

「レイド危ない……!!」

ガサガサガサ!!!

建物約3階の高さから、レイドは勢いよく落ちていく。

「我らルーゼンの守り神、風神のネオン、汝、今こそ力を放て!」

リィナは祈りを込めて唱えた。

ビュウッッッ!!!

風がリィナの前に集まり勢いよくそれはレイドに向かって疾った。

風は優しくレイドを包み、ゆっくりと地面に下ろした。

リィナは急いでレイドの元へ駆けつける。

「レイド……!!」

「割れる……!!頭が割れる!!うぅ…うあぁぁぁぁああああ!!!」

ズキンッズキンッズキンッズキンッ……!!

「レイドしっかりして!!」

リィナは彼の肩を持って顔を近づけて名前を呼んだ。

レイドは目を開いたとき、彼の瞳は真っ赤になっていた。

「え……!どうし……」

「……見つけた。」

バッ!

レイドはリィナの手を掴み起き上がった。


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