黒騎士-ブラックナイト-

恐る恐るリィナは見上げた。

「!!」

レイドの顔は、傷だらけで血が流れている。

顔だけでなく、身体中が血に染まっていた。

「リ……ナ……」

ガクンッ!

レイドは膝を付き、前に倒れそうになった。

「レイド!」

リィナは倒れるレイドを受け止め、背中を擦った。

「!?」

背中を擦る右手がやけに熱い。

いや……手でなく背中が熱い。

「レイド!しっかりして!」

「リィナ……大丈夫か……?」

はぁはぁ……

息が切れ、かすれた声でレイドは聞いた。

「私は大丈夫よ……私なんかよりもレイドの方が……」

「オレは……大丈夫だ。ただ……背中が熱い……!」



レイドは処置室に運ばれ、回復魔法で手当てした。

しかし、背中の熱は治まらない。

「何があったんですか?」

リィナに呼ばれ、ここまで運んだシューが問う。

「急に頭が痛くなって木から落ちたの。それから……」

リィナは詳しく質問に答えた。

うつ伏せになっているレイドは、汗を流し、息を切らして苦しんでいる。

「熱い……や……焼ける……!」

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