黒騎士-ブラックナイト-
「リィナ様!」
「……なんだまだ生えてなかったのか。」
男の言葉にリィナたちは耳を疑った。
「女、背中には触れない方がいい。」
リィナはレイドの肩を持った。
「お前……誰だ……?オレは……知らねぇ!!」
「寂しいこと言うなって。」
男は顔を隠しているマフラーのようなものを掴んだ。
「これでも知らねぇって言うのか?」
バサッ……
それを取った。
「!!?」
「まさか……!?」
男の顔は、レイドと同じ顔をしていた。
「オレの顔を忘れたか?」
目や鼻、口元……
全てがレイドと一緒で、髪の流れ方が違うだけであった。
「……!!!」
レイドは目を見開いて驚いた。
ズキンッッッ!!!
「う……うあぁぁああああ!!!」
また頭が痛くなる。
加えて背中に激痛と熱さが襲う。
「オレは、ロイド・エルス。レイドの双子の弟だ。」
リィナは言葉を失った。
「お前達がいう“異人”とは、まさしくオレ達のことさ。そんなオレの兄ってことは……どういうことかわかるな?」
「そんな……」
「レイド様が……?」