黒騎士-ブラックナイト-

「レイド、帰るぞ。こんな所に居たら、力を発揮できねぇぞ?」

「……うっせぇ……オレの帰る場所は……ルーゼン・ウルク王国(ここ)だけだ!」

レイドは痛みを堪え、立ち上がった。

「だめよ!そんな身体で……!」

「大丈夫……任せろ。」

レイドはゆっくり歩く。

「レイド、帰る気になってくれよ。」

ポウッ……

魔法陣を浮かばせた。

瞳が赤に変色する。

「殺るってか?」

「……ここで消滅してやる!」

レイドは身構えた。

「レイド様!」

「シュー、構わずお前も攻撃しろ。こいつは死なねぇ!」

レイドの言葉を理解できない。

しかし、言われた通りにするしかなさそうだ。

「承知!」

シューは剣の先に、炎を纏った。

「2対1か……。“異人”と“聖人”が手を組むなんてな。」

バッ!

ロイドは翼を大きく広げた。

腰から剣を抜き、一振りした。

「返してもらうぞ。」

「邪悪なる者、清き力により滅しよ!」

シューは剣を大きく振り、纏った炎を放った。

キィーーン!!

炎は鳥の姿に形を変え、ロイドに向かって羽ばたく。
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