黒騎士-ブラックナイト-
ゴォッッ!!
内側から放たれた炎が、結界にぶち当たる。
それは、跳ね返ることなくそこに留まり、結界に熱を帯びた。
「考えたな。」
ガガガガッ!!!
氷の刃が結界に突撃する。
ジュッッ!!
しかし、熱でそれらはすぐに溶けた。
「これ以上争う前に去れ!」
レイドは声を張り上げた。
「感動の再会ってやつなのに冷てぇな〜。」
「消えろ。その身体、幻想(バーチャル)だろ?」
レイドの言葉にリィナ達は驚いた。
くすっ……
ロイドはまた嬉しそうに微笑んだ。
「さすが。やっぱお前に魔法で嘘はつけねぇな。」
「初めて見たよそんな魔法。」
「いや、初めてじゃないぞ?」
ロイドは寂しそうにする。
「幻想は、技も幻想だと思ってないか?」
「違うのか?」
「はぁ〜…頭、すっからかんなんだな本当に。」
ロイドは溜め息を吐く。
「レイドの言うように、身体は幻想さ。でもな、攻撃魔法や、防御魔法は本物。つまり……」
汗が流れた。
「この倒れた騎士達の傷は、本物だ。」
「殺したのか……?」
「いいや、殺しはしてないさ。ただ、オレの羽には少量の毒が混じってるんでね。少しの間、身体が痺れて動けないだろう。」